黒揚羽
Target  --000

「忘れもんはないか?」
「大丈夫だってば」
「何かあったら連絡しろよ。すぐに駆けつけてやるから」
「もー…過保護すぎ。私の実年齢わかってる?」
「わかってるわかってる」
「2回繰り返す時ってわかってない事が多いんだよね、人間」
「紅」
「ん?」
「羽休めたくなったら、いつでも帰って来いよ。あそこはお前の家なんだからな」
「………うん。ありがと」
「っと。そろそろ時間だろ」
「そうだね。じゃあ……行って来ます!」

その日、一筋の飛行機雲が空を横断した。

06.08.17