ヒロインについての20の質問
夢追いのガーネット Side episode
1、お名前をどうぞ
「椎名翼」
「………何か、デッキを前に答える翼って面白い光景だね」
「仕方ないだろ。録音されてるんだし」
「そこまで凝視する必要もないと思うけど?」
「第一、紅がこんなの持ってこなければ面倒な事しなくて済んだんだよ」
2、あなたと紅さんとの関係は?
「腐れ縁」
「そこは幼馴染って答えて欲しいけど…」
「へぇ、それで満足なんだ?」
「…満足じゃないですね」
3、紅さんのことを好きですか?
「……………」
「……えっと…居ない方がいい?」
「……………」
「…翼さーん…」
「……………まぁ、嫌いなら十何年も一緒に居ない」
「(デッキを睨みつけながら答えなくても…。ていうか、顔が真っ赤…!でも、これをからかうと後々怒られるし…)」
4、どんなところが?
「好きな所なんて、口に出来るものでもないでしょ」
「……………」
「あえて言うなら……存在…だね」
「…!!」
「…何そんなに喜んでんの?」
5、あなたたちは恋人同士ですか?
「まぁ」
「付き合ってる…んだよね、一応」
「って言うか、付き合う付き合わない以前に、当たり前なんだよ。隣に居るのが」
6、どちらから告白しましたか?
「俺」
「…だね」
7、そのときのシチュエーションは? 言った言葉も
「サッカー部の連中が俺達の為って言う大義名分を掲げてストーカー紛いの事をして、その結果だね」
「………いや、正しいけど…根に持ってるのね」
「当たり前。変な手紙を貰ってるって聞いた時には、相手をぶん殴るつもりだったし」
「その言葉は笑顔で言う事じゃないと思う」
「言った言葉は…………聞かせるつもりはないよ。あれは紅だけが聞けば十分」
「翼…」
8、紅さんはあなたのことを好きだと思いますか?
「さぁ?本人に聞いてみれば?」
「本人だけの所でしか言いません!」
「俺しか居ないけど?」
「録音中でしょ!?」
9、その理由は?
「残念だけど、録音中は教えてくれないんだってさ」
「当たり前でしょ!帰るよ!?」
「母さんのアップルパイ」
「……………」
「よしよし、いい子だね。(一人でこんなのに答えてられないっての)」
10、さて今日は紅さんの誕生日です。何をしてあげますか?
「日付変更と共に祝う」
「毎年恒例だもんね」
「で、週末にデートするくらいだね。俺のと紅のとで、2回」
「連続してるからって一つに纏めたりしないしね」
11、ではあなたの誕生日に紅さんは?
「翼と同じく」
「何年続けてるんだっけ?」
「さぁ、忘れちゃった」
12、紅さんと意見が対立してしまったときは、どうしますか?
「よくあるよね。別に何もしないよ。お互いに妥協点を探すし」
「特に、映画の時なんかは。観たい映画が被ると、どうしても意見が分かれちゃうのよね」
「まぁ、映画の場合は両方見るけどね」
13、紅さんを怒らせてしまったときは、どうしますか?
「頭を撫でて振り払われないなら、問題なし。振り払われるなら…そのままほうっておくね」
「放置!?」
「だって、俺の手を振り払う時はよっぽどだし。落ち着いてからじゃないと話も聞かないだろ?」
「う…」
14、紅さんの手料理を食べて、みたいですか? みたくありませんか?
「食べてみたいって言うか…食べてるよ、普通に」
「三日に一回くらい食べに来るよね」
「うん。母さんなんか、紅に甘えて時々俺の分を用意してないし」
「え…そうなの?」
「最近は朝に「食べて来い」って言われるけどね」
「あ、だから最近は登校中に「食べに行く」って言うんだ」
15、紅さんが口説かれている現場を目撃したら、どうしますか?
「日常茶飯事」
「つ、翼だって同じじゃない!」
「うん。だから別にどうもしないよ。一緒に来てくれって言われれば行くし、言われなかったらほうっておく」
「いや、この質問は告白に呼び出された想定じゃないよ」
「あぁ、そうだね。危なくなさそうなら、手は出さないよ。自分の事は自分で解決したがるからね」
「不安じゃないの?」
「紅は離れていかないだろ」
16、紅さんに関することで、願いが一つだけ叶うとしたら何を願いますか?
「別に何も」
「何もないの?」
「今の状況で満足だからね、俺は。まぁ、あえて一つあげるなら…」
「あげるなら?」
「飛行機嫌いが解消されれば嬉しいかな」
「いや、あの、それは…うん。努力は…しますけど…」
17、紅さんに関することで、悩みはありますか? あればその内容も
「さっき答えた通り。飛行機が嫌いだと、俺が困るんだよ」
「だって…」
「世界を目指す俺についてくるなら、飛行機は切っても切れないだろ」
「…頑張ります…」
18、自分と紅さん、どちらが大切ですか?
「この質問自体がおかしい」
「いや、質問にケチつけても仕方ないよ」
「じゃあ、紅はどう答えるの?」
「答えない」
「だろ?優劣なんて付けられないよ。自分も大事だし、当然紅だって大事なんだからね」
19、紅さんにひとこと
「来週末、部活休みだから」
「それ、今言う事?」
「いや、俺もさっき玲から聞かされたんだよ。で、伝えておこうと思って」
「翼らしいなぁ、もう…」
「うん。そう言いつつもついて来れるのは紅くらいだからね。これからもよろしく」
「…!こちらこそ」
20、作者にひとこと
「作者じゃなくて、これを読んでくれた人に一言。ありがとね」
「はい、終了。お疲れ様」
「どこからこんなの持ってきたわけ?」
「悠希」
「………あぁ、納得したよ」
ドサッとベッドに座り込む翼に、紅は苦笑を浮かべながら録音したテープを取り出す。
絶対に答えてもらって!と油性ペンで書かれたそれ。
翼はそれを鞄にしまいこむ紅を眺め、空になってきたところでその手を掴む。
「何?」
「もう録音してないんだけど?」
ニッと口角を持ち上げてそう告げられると、紅は一瞬それを理解する為に制止する。
しかし、彼の言いたい事が分かるや否や、その頬を朱に染めた。
「………言うの?」
「言うの」
「………………好き」
「うん。俺も好きだよ」
よく言えました、とばかりに頭を撫でる彼。
まるで子供みたいな扱いだ、と思うけれど、髪を梳く彼の指は心地よい。
「さて、と。そろそろアップルパイも焼けた頃だと思うよ」
「あ、そう言えばいい匂いがしてる」
「下に行こうか。紅とお茶がしたいって言ってたから」
「うん!」
Menu
07.06.23