夢追いのガーネット
Idle talk 19.5

「あら、今度の合宿は暁斗も来るの?」

スタッフの名簿を見ていた玲がそう声を上げた。
彼女の言葉に反応して、パソコンに向かっていた暁斗が顔だけを振り向かせる。

「あぁ。言ってなかったか?」
「聞いていないわね。まぁ、それは別に構わないけれど………あなた、合宿の始まる日は出張って言ってなかったかしら?」

ピシリと彼の動きが停止する。
玲はそんな彼を見て、部屋の入り口付近の壁に掛けられたカレンダーを見た。
日付の枠内は二つに割ってあって、上は暁斗の、下は紅の予定を書き込むようになっている。
合宿が始まる当日。
枠内の下半分には紅の字で『午後から関西に出張』と書かれていた。

「………………秘書の予定ミスだな、これは…」
「確認していない時点であなたのミスでもあると思うわ」
「……どっちにしろ、合宿の頭からの参加は無理ってワケだ」

そう言いながら彼はつまらなさそうに不貞腐れる。

「ま、テストは紅が見れば問題ないだろ。二日目の夜にはそっちに向かうよ」
「大丈夫なの?」
「ん?仕事か、それとも俺の身体?」
「仕事に決まってるでしょう。出張はそんなに早く終わるものなの?」
「終わらせるさ。本来なら一日で十分だからな。そう言えば、来週にも泊まりの出張が入ってるんだ」
「じゃあ、おばさんには私が話しておくわ。紅が泊まりに来るのは久しぶりだから喜ぶでしょうね」
「…ホント、助かるよ」

合宿一ヶ月前、玲と暁斗の間ではこんな会話がされていた。

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06.07.20