047.言葉は不器用で

落ち着くどころか、日々高まり続ける政宗様への想い。
自覚があるからこそ、戸惑いもある。
今まで、こんな風に…焦がれるほどに誰かを想った事なんて、なかったから。
自分がどうなってしまうんだろうと言う不安。
けれどそれ以上に、涙が出そうなほどに、幸せだった。

「伝えたいと思うのに…」

穏やかに眠る政宗様の顔を見下ろし、そう呟く。
膝を借りる、と言って太腿に頭を載せた彼が寝入るまでの時間は、そう長いものではなかった。
ことん、と落ちるように寝入った彼は、太陽が赤らみ始めてもまだ、眠ったままだ。
今日は冬の頭とは思えない陽気な一日だったが、夕暮れが迫れば気温も下がるだろう。
丁度よくやってきた小十郎さんに上着を頼み、持ってきてもらう。

「政宗様は随分と深く寝入っておられるようだな」
「この所…忙しくしていましたから」

こうして会話をしていても、彼が起きる気配はない。
小十郎さんは苦笑を浮かべ、よろしく、と言い残して去っていく。
それを見送り、膝の上の政宗様を見下ろした。

サラリ、と彼の髪を撫でる。

「(…この指先から、想いが欠片でも伝わればいい)」

口にできない想いを手の平に乗せて、そっと、彼に触れた。

伊達 政宗 / 廻れ、

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11.12.02