021.伝言ゲーム

「ツナ、あいつはどうした?」
「姉さん?今はビアンキ達と出かけてるけど…どうかした?」
「そうか。なら、帰ったら伝えといてくれ」

ツナの返事も聞かずに長い文章を紡ぎ終えると、リボーンは「頼んだぞ」と言い残して部屋を去る。
メモを用意する時間すらなかった。

「…覚えきれてる自信ないんだけど…」

そう呟いたところで、後の祭り。
彼女が帰ってくるまで覚えておかないと、と必死に脳内でリボーンの言葉を繰り返した。



「ただいま―――って、何をぶつぶつ呟いてるの?」
「あ、姉さん。お帰り。えっと…リボーンが、明日の11時に駅前の店に行きたいから付き合ってほしいって」
「…それを覚えるためだけに、あんなに呟いてたの?」
「いや、ホントはもっと長かったんだけど…要約すると、たぶんこんな感じ…だったと思う」

不安げな様子の弟に、やれやれと溜め息を吐く。
この分だと要約も正しいかどうか怪しいけれど…もし間違っていても、確実な方法を取らなかったリボーンの責任と言う事にしよう。

「わかったわ。明日の11時ね」
「う、うん」

未だ不安な様子のツナを置いて部屋を出る。
そこで、丁度帰って来たらしいリボーンと出会った。

「ツナから聞いたか?」
「ええ。11時って聞いたけど、本当は何時?」
「俺が伝えたのは10時だぞ。まぁ、ツナなら間違えて覚えると思ってそう伝えたんだ」
「正しく覚えさせたいなら、要約した部分だけを伝えればいいでしょうが。弟の記憶力を試すような事、しないでくれる?」
「あの程度を覚えられなきゃ、ボンゴレのボスなんてやってけねーぞ」
「じゃあ、やらせなければいいのよ」
「そのための訓練だ」
「…嫌な人」
「所で、返事は?」
「デートのお誘いの事?そうね…本人からの誘いがあれば、考えるわ」


「………」
「………」
「…明日、出かけるぞ」
「…仕方ないから付き合ってあげるわ。買いたいものもあるし」

リボーン / 沢田くんのお姉さんシリーズ

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11.10.17