010.告白なんて

「ねぇ、どっちから?やっぱりルフィ?」

興味深そうにそう尋ねてくるナミ。
海賊をしていたって女の子は女の子。
年頃の彼女は、こう言う事に興味があるのだろう。
それも、同じ一味の仲間が…となれば、その興味も一入だ。

「どっちからって?」
「告白よ!あんたたち、付き合ってるんでしょ」

すっ呆けた返事に思わず出そうになった手は、ビビによって抑えられた。
ナミさん、落ち着いて!
そう言いながら、彼女もどこか落ち着かない様子。
王女とて女の子、と言う事だろう。

「んー…付き合ってる…のかなぁ」
「…ちょっと待ちなさい。どう言う事?」
「だって、告白なんてした覚えないし」

彼女の言葉に、女二人が固まった。

「一度も好きだって言ってないの!?」
「いや、それは何度も」
「じゃあルフィからは!?」
「それも何度も」

好きだと言った事はあるし、好きだと言われた事もある。
包み隠さず感情を伝えるのは二人の良い所でもあり、ある意味では素直すぎると言う悪い面もあり。
まさか…と嫌な予感が脳裏を過った。

「付き合おうって言葉は…」
「…ないね」

船が、揺れた。



肩で息をするナミの隣で、ビビが苦笑を浮かべている。
そんな二人の様子に、彼女は首を傾げた。
ナミの大声に驚き、姿を見せてしまった猫耳がパタリと揺れる。

「だって、必要?」
「必要でしょ!?どこから始まるの!?」
「どこから、なんて関係ないよ」

ルフィの傍にいたいと思って、ルフィが傍にいたいと思ってくれて―――だから、一緒にいるのだ。
それ以上に、何が必要なのか。
それを当然の事のように言う彼女に、二人は脱力した。
そう、彼女はこう言う人間だった。
ルフィも彼女も―――良くも悪くも純粋で真っ直ぐで。
互いが共存する未来に、何の迷いや不安も持っていないからこそ、何の言葉も必要としない。
ある意味では、言葉以上に強固なつながりを見せられた気がした。

「ま、その方があんたたちらしいわ」

呆れつつも納得したように。
ナミはそう言って小さく笑った。

モンキー・D・ルフィ / Black Cat

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11.09.29