006.在り来たりな約束
半年後、私たちはそれぞれ、別の道を行く。
それを痛感させる、一枚のプリント。
そこに書き記した希望進路が、全員同じであるはずもなく。
況してや、柾輝や六助は一学年下だ。
一年後、この場所に私たち全員が揃う事はないのだ。
楽しいからこそ、この時間が終わってしまうのが悲しい。
いつまでも子供でいられないとわかっているけれど―――いつまでも子供でいたいと思える学校生活だった事を、喜ぶべきだろう。
「桜が咲く頃に、部の皆で同窓会をしようか」
「卒業もしてないのに、気が早いね」
ふと思いついた提案に、隣の翼が苦笑する。
私が見つめていたプリントの中身を知っていたから、考えていたこともきっとお見通しだろう。
「でも、それええなぁ。約束だけでもしとこうや!」
「だな。俺たちだけなら集まれるだろうけど、部の全員となると中々予定が合わないだろうし」
「時期を決めておいたら、予定を開けやすいよな」
「じゃ、そう言う事で決定ね」
まとめるようにそう言う私。
その後を繋げるのは部長である翼の役目だ。
「じゃあ―――桜の季節に、飛葉中サッカー部で同窓会って事で」
異議なし!と翼の声に続く、声。
約束を交わそう。
在り来たりだけれど、優しくてあたたかい、約束を。
飛葉中メンバー / 夢追いのガーネット