084.人の心は移ろうものだとは聞いていたけれど

「ん?」
「どないしたん?」

ふと、窓の外…家の前の道を見ていた彼女が呟く声に反応する。
雑誌から顔を上げたシゲに、彼女は複雑そうな表情を見せた。

「聖がまた別の男を連れてる」
「…そう言うお年頃やし。聖は自分に似て美人やから、当たり前ちゃうか?」
「や、そうじゃなくて…」
「何や、妹を取られて寂しいんか?その穴は俺が―――」
「違うっつってんだろうが」

くるりと丸めた雑誌が凶器に変わる。
ボコン、と鈍い音がして、シゲが金髪を押さえて蹲った。
その様子を見て、ふん、と鼻を鳴らす彼女。

「ほぼ日替わりで違う男を連れてる。そんなに遊んだ性格だっけなぁ…」
「…っ、自分ただの雑誌でどんな攻撃力やねん…」
「手先が器用なもんで」

そう言う問題じゃないと思うのだが、彼女の場合はそれがまかり通りそうな気がする。

「別に一途になれとは言わないけどなぁ…そう言う付き合いも青春だと思うし。でも一週間で4人は多い」
「…聖の事やし、心配せんでええって。何やったら、今度さりげなく聞いといたるわ」
「ん。頼んだ」





「だって…全然、思うような男の子がいないんだもん」
「聖の理想ってどんな男や?俺が紹介したるで?」
「お姉ちゃんみたいな人。って言うか、お姉ちゃん以上に男らしい人、見た事ない」
「………なるほど、そら満足できんわ…」
「いっそ、性転換してくれたらいいのに」
「いや、姉妹やからな?」
「うん、それでもいいかなって」
「あかん!それは俺が許さんで!」

佐藤 成樹 / Soccer Life

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11.08.10