092.すきだって言われて、わたしにどうしろというの
「ねぇ、ブン太…」
「んー?」
ベッドに凭れて読んでいる雑誌には今週のおすすめスイーツが満載だ。
お、これも美味そうじゃん。
「今日ね、告白されたの」
「へぇー…――――――誰に!?」
持っていたペンでぐるぐると丸を付けたブン太は、危うく彼女の言葉を聞き流すところだった。
ちょっと待て!?と顔を上げるとやれやれと言った様子で肩を竦める彼女と視線が絡む。
「マジで!?」
「うん」
「俺がいるのに!?誰だよ、その勇者は!」
俺らの事知らねぇの!?と声を大きくする。
そんな彼に、知ってるみたいよ、と答える彼女。
「別に、ブン太がいてもいいみたいよ」
「はぁ!?一体どこのどいつだ!!」
「二つくくりにしたふわふわした子。2年生…だったかしら」
ちょっと待て。
彼女の説明に、ぴたりと止まる興奮。
「…ふわふわした…」
「うん。可愛い女の子」
先ほどはあえて誤魔化した性別を口にする彼女の表情と言ったら。
「~~~っからかったのか!!」
「えー?だって、事実しか言ってないわ、私」
「ったく…!心配して損したっつーの!!」
「丸井先輩がいようと先輩の一番になってみせます!ってかなり意気込んでたわ」
「…………それ、同性としての純粋な好意、だよな?」
何だか微妙な内容を聞かされたブン太は、思わずそう確認する。
そんな彼に、彼女は笑顔で答えた。
「“同性”への“純粋な好意”、って言う所は間違ってないと思うわ」
「………勘弁してくれよ…男だけで十分だっつーの…」
がっくりと肩を落とす彼にクスリと笑い、頑張ってね、とエールを送った。
可愛い子だったけれど、中々我の強そうな子だったから、流石のブン太も苦労するかもしれないとまるで他人事のようなことを考える。
…それにしても。
「何で私なのかしらね。何を求めてるのかしら」
「俺が聞きてーよっ!」
丸井 ブン太 / スイートピー