060.答えなんて何処にも無い、あるのはただ

どうして。

幾度となく、聞かれた、問われた。
その度に、こちらが聞きたいと心中で苦笑する。

どうして、彼だったのか。
どうして、彼以外ではいけなかったのか。

きっとその答えは、何処にも存在しないのだろう。
あえて答えを探すのならば―――どうしても、彼でなければならなかった、ただそれだけ。

「理由なんて…必要ないわ」

簡素な部屋の中、手首の枷をそのままに独り、悠久の時を過ごす。
今はまだ、老いる事も死ぬ事もない自分は、どこへと向かうのだろうか。
答える者のいない部屋の中、静かに庭の木々を見つめる。
雪が溶ければ、やがて春が訪れるのだろう。

「…私は…あなたの傍にいられたら、それ以上何も望まなかったのよ…?」

わかっていたはずなのに、その唯一の望みすら叶えてくれなかった人。
酷い人だと思うけれど、でも―――

「…愛しているなんて、誰も理解できないでしょうね」

どうしてなんて答えはない。
ただ、彼を愛している。
今も、きっと…これからも。

藍染 惣右介 / 逃げ水

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11.01.17