091.一緒
何の因果なのか知らないけれど、生んだ子供はXANXUS様によく似ていた。
もちろん、初めからそうだったわけじゃない。
彼の後を追うように、成長するにつれてその面影を色濃くしていく。
我が子を見る目が時々、自分でも馬鹿らしく思えるほどに切なかった。
「おかあさん?」
頬から首筋へと辿り、私と同じ痣を撫でる。
代々、私の血筋の人間には、同じ痣があった。
これがなければ、自分が生んだと言う事実がなければ―――この子の中に私の血を探すことは難しい。
髪を梳かす手が止まったことに気付き、子供らしさの残る目が私を見上げている。
もう、物事のいろははわかる年齢だ。
父親の事も話してあげなければいけないのだとわかっている。
けれど―――
「…ごめんね。もう少し…待ってね」
そう言って、闇色の髪に口付ける。
きょとんと首を傾げる様は、XANXUS様に似ているようで、やはり別の人間なのだと理解させるには十分すぎる純粋な反応だ。
「まつよ?」
「…ええ、ありがとう」
きっと、何の事なのかわかっていないのだろう。
それでも応えようとする息子をぎゅっと抱きしめる。
いつの日か、この子の隣にXANXUS様が並び立つ時―――私は、許されているのだろうか。
許されなくても、と思いながら生んだ子ではあるけれど、やはり母親であることを許してほしいし、負い目なく愛したい。
XANXUS様と同じ色の髪を撫で、そっと瞼を伏せた。
【 091.一緒 】 ジュニア / Bloody rose