098.ノストラダムス
「わー…懐かしい記事」
「手を止めてたら終わらないよ。片づけを手伝えって言ったのは紅でしょ」
「見て、ノストラダムスの大予言!」
「………1999年?あぁ…あれか」
「懐かしいなぁ…この時、皆が大騒ぎしたよね」
「学校は良くも悪くも影響が大きいからね」
「そうそう!一人から二人、二人からクラス…って感じに騒ぎが広がってさー…。
今思うと、少し恥ずかしいね」
「そう言えば、紅も色々と話してたよね、悠希と」
「はは…忘れてよ、お願いだから」
「死ぬ前に何がしたいかって討論になって、授業が一日中つぶれた日もあったね」
「あったあった。銀行強盗って言った男子が3時間生徒指導室から帰ってこなかった日よね」
「7月が終わると、一斉に元気になった奴がいた」
「あー…いたね。調子に乗って長電話しながら、信じてなかったんだよなー、って言うの」
「そう言う奴が一番信じてたんだよな、あれ。ふぅん…もう10年も前になるのか…」
「中学生だった私たちが25になるわけよね」
「予言といえば…この間も、9月に大地震が来るって言う話があったよ」
「え?そうなの?知らなかった」
「俺も、ネットで偶々見ただけ」
「学生の頃って周りの影響が大きくて、そう言うのに凄く敏感だったけど…。
大人になると、気付かないうちに終わっちゃってるね」
「そうみたいだね。ま、恐怖の大王にせよ地震にせよ…自分ではどうしようもないし」
「それを思うと、考えなくてすむ方が幸せかもしれないわね」
「ん。俺も同感。ほら、そっちのを貸しなよ。片付けが終わらない」
「はーい。ね、リビングのレイアウトを変えたいんだけど」
「はいはい。力仕事はしてあげるから、色々と考えれば?」
「ありがと!翼大好き!!」
「…っとに都合の良い奴」
椎名 翼 / 夢追いのガーネット