078.階段を上って
「ねぇ、身長いくつだっけ?」
「んー…確か、191…だったか」
「…センチよね」
「メートルだったら化け物だろ」
「はは。そりゃそうだわ。191センチねぇ…」
「どうかしたのか?」
「私の身長、約160センチなの」
「あぁ、前に158って言ってたな」
「あえてぼかしてるのに、明確な数字にしないでくれる?」
「女なら普通だろ」
「160くらいは欲しいと思ってる女子が多かったりするのよ、世の中」
「ふぅん…」
「それにしても、191か…」
「…何かあるのか?」
「んーん。別に。道理で筧君と話してると首が痛いわけだわ。微妙な角度」
「あぁ…30センチか」
「足が長いから座ってもらえばそれなりに近づくんだけど、それも複雑で」
「?」
「で、色々と考えた結果…こんな感じでどうでしょうか」
「階段?」
「そう。2段…3段も上れば、目線が同じでしょ」
「目線だけはな」
「4段目以降は筧君の旋毛が見えます。…なんだか新鮮」
「そんな所で感動しないでくれ。それより、エリーが暇そうだ」
「あ、ホントだ。エリー、ごめんね。散歩の続きしようか」
「なぁ」
「ん?」
「あんた、まだ成長期か?」
「…高校2年で身長が伸び続けてる女子って、割合的には少ないと思う」
「…じゃあ、慣れてくれ」
「何に?」
「身長差。毎回階段探すのは大変だからな」
「そうかな。階段って結構どこにでもあるけど…」
「それに、上がった分だけ距離が離れる」
「………ま、慣れていないとは言わないけど。筧君も首が痛そうね」
「俺はそれこそ慣れてる」
「あぁ、確かに。君の場合は大多数がマイナス30センチか…」
「まぁ、ガンバレ」
「気の抜ける応援ありがとう!ふん!」
「拗ねるなって。大体2段飛ばしで駆け上がろうが、リーチに差があるから同じ…」
「…君、私のこと怒らせたいの?」
筧 駿 / トルコ桔梗