001.初夏の出来事
「政宗様!」
「んなところで何してんだ?」
「畑でやることなんて、数は知れていると思いますけれど…」
「…それもそうだな。で、どうした?やけに嬉しそうじゃねぇか」
「あ、見てください」
「これは…お前が育てたのか?」
「はい!」
「ほぉ…立派なもんだな」
「種をいただいたので…頑張りました」
「…お前によく合う花だな」
「え?」
「1本もらうぞ」
「え、あ…はい。どうぞ。…………あの、政宗様…?」
「抜くなよ。そのまま挿してろ。…お前の髪によく似合う」
「へ?あ…」
「午後の軍議には遅れるなよ。じゃあ、また後でな」
「…お礼も言わせてくれずに言い逃げなんて…酷いね」
夏の訪れを感じさせる風が、優しく頬を撫でていく。
伊達 政宗 / 廻れ、