空色トパーズ
Target --004.5
「綱吉が10代目…?あなたの跡を継ぐの?」
「あぁ。そうだね」
「…駄目よ!そんなの…あの子は平和な世界で生きていて欲しいの!そのために私はここに居るのよ!?」
顔色を青くして必死に声を上げる。
彼だけはどうか平和に―――自らの状況を省みる事もなく、そう訴えた。
「…君は、綱吉くんが大切かい?」
「とても…とても、大切。綱吉の平穏を守るためなら、今この場で引鉄を引くことだって躊躇わない」
そう言いきった幼い少女は、ボンゴレのボス、9代目に向かって銃を突きつけた。
小さな身体に似合わない大きな銃を両手で握り、真っ直ぐに彼を見つめる。
「―――…私も、出来るなら彼には平穏に暮らして欲しい」
「…本当に?でも、綱吉が10代目なんでしょう?」
「あくまで候補として、だ。ボンゴレのボスは、その血の繋がりなくしてはありえないから…」
「…いずれ、綱吉も私のように狙われる…の?」
「…君は頭の良い子だ」
銃口を向けられて尚、9代目は平然とした様子で少女の頭を撫でた。
じっと彼を見つめ、やがて銃を下ろす。
「約束をしようか」
「…約束?」
「綱吉くんを無理にこの世界に引き入れない。だが、もし彼に危険が及ぶ可能性があれば…その時は」
9代目が言葉を濁したその先は、少女には理解できない部分だった。
彼女は少しだけ悩むように口を閉じ、やがて小さく頷く。
「ありがとう、9代目。お仕事の邪魔をしてごめんなさい」
「構わないよ。さぁ、勉強に戻るといい」
笑顔で彼女を見送った9代目は、ソファーに深く腰を下ろす。
「面白い奴だな」
「リボーン。…あぁ、そうだな。あの子はとても賢い。良くも悪くも、彼の血を受け継いでいる」
彼女の父もまた、守るためならば手段を選ばない人間だった。
たとえ同盟のファミリーのボスだとしても、必要があれば迷いなく銃口を向けただろう。
幼いながらもその意思を受け継いだ、強い眼の少女だった。
「不穏な動きが出れば、綱吉くんの元へと飛んでくれ。
10代目になるかどうかは彼次第だが…生きる力と知識は必要だ」
「あぁ。きっちり鍛えてやるから安心しろ」
09.11.21