廻れ、
- 廻 れ 、 廻 れ 。 時 空 よ 、 廻 れ -
-- 090.5 --
「――――あー…漸く笑いが治まりました。しかし…彼も変わらないね」
「?」
「前の戦場であんな風に別れたって言うのに、こうしてお祝いをしてくれる。本当に、お人好しな人」
「…それは紅さんにも言えることだろ?前に氷景が奥州名物を持ってきたんだけど?」
「あれは、道中で美味しそうな物を見つけたら持って行って、って頼んだだけよ」
「買うも買わないも自由、って?よく言うねぇ。氷景ならそうするって確信してたくせに」
「…まぁ、そうとも言うわね」
「でもま、お蔭で旦那が喜んでたよ」
「それはよかったわ。あの人との約束は…果たせるかどうか、分からないから」
「“いつか天下が統一されたなら”―――?」
「ええ。戦国乱世のこの時代、敗北が死に繋がる事も、決して珍しい事ではないから…」
「でも、あんたは覚悟してる」
「守るべき…守りたい者があるからね」
「それは皆同じさ。それぞれの守りたいもののため、戦ってる。だから、仕方ないんだよ」
「…仕方ない、って言う言葉は好きじゃないんだけれど…。でも、その通りだから聞き流す事にするわ」
「そう言う事だな。ところで、紅さん。こっちの道を進むつもりか?」
「そうよ」
「なら、進路の変更をオススメするね。こっちには山賊が出てる」
「ありがとう。なら、このまま進ませてもらうわ」
「あー…うん。まぁ、紅さんならそう言うと思ったけどね」
「私は目の届く所で盗賊行為を見逃すつもりはないの」
「ま、一応は気をつけた方がいいよ。って…武田の忍が言う事じゃない、か」
「忠告は脳内に刻んでおくわ。ありがとう。じゃあね」
「はいはい。またどこかで」
07.10.07